自律神経失調症は珍しくない現代病のひとつですが、辛い思いをしている人も大勢います。ここでは、「自律神経失調症とは何か」「病院での診察の受け方から治療」「自力で改善する方法」まで解説します。

――目次――

自律神経失調症とは
 自立神経って何?
 自律神経失調症とは
 自律神経が乱れるとは

自律神経失調症[4つの原因]
 (1)精神的なストレスが最も多い原因
 (2)体質や体格による不調
 (3)環境による不快感も原因になる
 (4)「なぜかわからないけど体調が今ひとつ」原因不明の自律神経失調症

自律神経失調症を改善しないと「何が起きるか知っておく」
 自律神経失調症で「日常生活」にどんな影響があるのか
 自律神経失調症で休職することは出来る?
 自律神経失調症になると車も運転できない?
 自律神経失調症とうつ病の関係

自律神経失調症と似た病気について
 症状が似ていて紛らわしい病名一覧

自律神経失調症「病院での治療」まるわかり
 自律神経失調症かな?と思った時の病院選び
 一般的な心療内科での「自律神経の乱れ」診察と治療
 心療内科・精神科・神経内科の違いと「自律神経失調症」治療
 病院で処方される自律神経失調症の薬一覧

自律神経失調症「自力で改善する8つの方法」

自律神経失調症にはサプリメントが効果的
 自律神経失調症に対するサプリメントの効果
 薬を使わない改善方法という安心感が強み
 漢方薬vsサプリメント「自律神経に効く・効かない?」

自律神経失調症とどうつき合っていくか
 「完治したかわからない」自律神経失調症との長い闘いの為に
 信頼出来る相談相手の存在を持つ

自律神経失調症「まとめ」

 

自律神経失調症とは

自律神経とは、言葉通り私たちの体内にある神経の一種です。この自律神経が乱れると、頭痛や吐き気、めまいやしびれなど、様々な不快な症状を引き起こします。

 

「自律神経失調症」の自立神経って何?

自律神経には

  • 交感神経
  • 副交感神経

の2つがあります。

交感神経は、活動している時や昼間に活発になる神経です。
副交感神経はその逆で、寝ている時や夜などリラックスしている時に働いている神経です。私たちは日常生活の中で、自然と〝無意識に〟この2つの神経が交互に作用しています。

 

自律神経失調症とは

例えば「時々胃が痛くなる」と内科を診療し、胃カメラをはじめ精密検査をしても、特に異常はなかったとします。それでも胃の痛みを感じたりする場合に、医師は「自律神経の乱れからきているのかも」と答えるケースがあります。胃は健康で問題はないけれど、明らかに自覚症状として「胃痛がある」という場合です。原因不明といえばそうですが、それでも本人にとっては「胃が痛くて辛い」状態です。医師としては、病気ではないので「だとしたら、自律神経の問題かもね」となるわけです。

自律神経失調症は正式な医学用語にはありません。一応の定義としては

  • 不定愁訴がある(疲労感・頭痛・めまいなど体調が悪い自覚症状を訴える)
  • しかし特定できる病気や明らかな精神障害はない

となっています。自律神経である「交感神経」と「副交感神経」の働きが混乱したり、乱れた場合に起こりうる症状全般を「自律神経失調症」と称します。

 

自律神経が乱れるとは

交感神経と副交感神経のバランスが崩れると「自律神経が乱れる」状態になります。よく「朝は太陽を浴びて起き、夜は暗くなったら休み、早めに就寝する」1日の健康的なリズムが、健康維持に大事と言われます。これは、体内の交感神経と副交感神経がバランス良く活動する為に、朝昼夜のリズムで神経のバランスをとっているからです。朝、日を浴びれば誰でも活動的になります。夜、暗くなって体を横にすれば、自然と眠くなります。この自然のリズムが、交感神経と副交感神経を交互に正しく機能させています。

シフト勤務や、昼夜逆転の仕事に就いている人が「自律神経失調症」になりやすいのは、このリズムが一定ではないからでしょう。また、極度の緊張を強いられる場面が続くと、帰宅してからも「神経が昂っている状態」=交感神経が過度に高くなったままで、リラックスできません。これが続くと、自律神経のバランスが「乱れる」「崩れる」事になります。

しかし、最近は特に過酷な勤務状況ではなくても、自律神経のバランスを崩す人が多く見られます。実際に自律神経失調症と診断された人、また自分で「もしかしたら自律神経の乱れかも」と疑いを持っている人は、次のような症状に思い当たる節がないか、チェックしてみて下さい。

▼自律神経失調症の典型的な症状

  • 胃痛
  • 頭痛
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 微熱
  • 手足のしびれ
  • 疲れやすい
  • 食欲不振または過食
  • 不眠
  • 動悸
  • 肩こり
  • 冷え性またはのぼせ
  • 意欲の低下

 

自律神経失調症[4つの原因]

自律神経失調症[4つの原因]

自律神経失調症の原因は様々です。大きく4つに分けて、解説していきます。

 

(1)精神的なストレス

自律神経失調症の最も大きい原因は「ストレス」と言われています。ところが「ストレス」は実はかなり曖昧なものです。辞書によれば、精神的や肉体的に負担となる刺激や状況となっています(大辞林)。どんな事でも受け止め方によっては、負担になるでしょう。人によってストレスの感じ方は違います。様々な大小のストレスに対し、うまく感情をコントロールできなかったり、気持ちの切り替えができないと自律神経を乱す原因となります。

 

(2)体質や気質による不調

もともと別の病気を患っていると、精神的不安から自律神経が乱れるのもよくあります。女性の場合は生理との関係や、更年期等のホルモン異常も原因となります。体質的に幼い頃から「体が弱いタイプ」や、低血圧、アレルギー体質の人も、自律神経が乱れる傾向が強いようです。

気質・人柄も大きく自律神経に影響します。例えば「生真面目で几帳面」「周囲の評価が気になりすぎる」「クヨクヨと悩むタイプ」こうした性格だと、ストレスをより強く感じやすい為に自律神経失調症になりやすいという面はあるでしょう。

 

(3)環境による不快感も原因になる

枕が変わると眠れない、とよく言いませんか? 慣れた環境から急激な変化が起きると、うまく適応できずに自律神経が乱れがちです。枕が変わる程度ならすぐに慣れるでしょうが、

  • 転職をして勤務先が変わった
  • 子どもが生まれて生活のペースが激変した
  • 離婚した
  • 介護していた両親が亡くなった
  • 引っ越しをした

となると、大きな環境の変化です。子どもにとっては「クラス替え」など実に大きな環境の変化です。新しい事態にスムーズに適応出来れば良いのですが、うまく対応できないとストレスや不快感を感じます。

「環境」を違う視点で見ると、都会の空気汚染や騒音なども自律神経を乱す原因となります。要するに、生活の環境ですね。実は「暑さ寒さ」も、自律神経を乱します。暑すぎてグッタリしたり、寒くて体を縮めて肩こりや冷え性に悩まされるのも、自律神経が関係しています。騒音にイライラしたり眠れなくなるのも、原因となります。

心や体、それを取り巻く環境も、自律神経を刺激する点を覚えておきましょう。

 

(4)「なぜかわからないけど体調が今ひとつ」原因不明の自律神経失調症

もしかしたら、「特に健康に問題はない、特にストレスとかもないと思うのに、でもよくわからないが体調が優れない」――原因がハッキリしない人が一番多いかもしれません。自分でも気づかないで無意識に「大きな重圧やストレス」を抱えているケースもあります。

ひとつだけなら「適応」できたかもしれないけれど、いくつかの要因が重なって体調不良となるケースもあるでしょう。例えば、睡眠不足ですが、そもそも眠れないのは「職場の人間関係に悩み」「出世や将来への不安も募り」「家計の心配もある」だとしたらどうでしょう。睡眠不足のもとをたどれば、知らず知らずのうちにストレスやプレッシューによる疲労が溜まっていたのかもしれません。

どう考えても「コレといった原因がない」ように思えても、人は生きているだけで何かしらのストレスを抱えています。極端に言うと、常に何かを「我慢」しているわけです。ストレスや我慢の連続の不満をうまく発散できないでいると、限界値を超えてしまい体内から悲鳴があがるのです。

自律神経が一時的に乱れるのは「誰にでも有り得ること」と言えるでしょう。
問題は、この自律神経の乱れが継続してあり、心身ともに疲れ果ててしまう。明らかに体調が悪くなる場合です。

 

自律神経失調症を改善しないと「何が起きるか知っておく」

自律神経失調症を改善しないと「何が起きるか知っておく」

自律神経失調症が起きると、いったいどんな事が起き、日々の生活に影響を与えるのでしょうか?

 

自律神経失調症で「日常生活」にどんな影響があるのか

自律神経失調症の症状は、例えば「胃痛や頭痛」といったものから、めまいや息切れなど人によって様々です。重度になると、主婦であれば「簡単な家事もできない」怠さや疲れを感じる場合があります。

サラリーマンでは仕事先へ向かおうとするだけで、動悸が激しくなるといったケースもあります。家庭として見ると「お母さんが何もしてくれない」「お父さんが仕事に行かなくなった、なぜか早く帰ってくるようになった」といった状況から「おかしいぞ」と家族が気づく事もあるようです。

また「登校拒否児童」の多くが、自律神経失調症と言われています。

老若男女問わず、日々の暮らしの中で「生きにくく感じる」気持ちの重さが体調不良に現れて、「普通の生活パターン」をこなすのも徐々に難しくなっていきます。「日常」に直接影響するのが「自律神経失調症」の厄介なところです。

 

自律神経失調症で休職することは出来る?

職場における何らかの理由で、自律神経失調症となる社会人は増えています。「職場へ向かおうとするだけで激しい動悸がする」「会社で突然めまいに襲われる」といったように、事実上、業務の遂行は無理という状況もあるでしょう。

会社を「自律神経失調症のために休職」するのは可能です。必ず必要になるのが、医師の診断書です。自律神経失調症の診断は「心療内科」「精神科」で出してもらう事が多いようです。また「内科」や、かかりつけの医師でも診断書を出してもらえます。

ごく小さな職場、零細企業では休職が認められない場合があるのは現実です。大手企業でも理解のない上司だと「休職は認められたが、復職後のポジションに影響が出る」ケースもあります。

休職は思い切った決断となるでしょう。しかし、本当に自律神経失調症の症状が酷くなったら、何よりも「自分の人生が大事」と思うのが重要です。

 

自律神経失調症になると車も運転できない?

自律神経失調症の症状の出方にもよるでしょう。車を運転する最中に実際に起きやすいのは以下の症状です。

  • 突然頭の中がぼーっとする
  • 車酔いに近い症状が出る
  • 動悸が激しくなる
  • 意味不明の恐怖感や焦燥感に駆られる

車を運転していて怖いのは「事故を起こす」事です。ですから、運転中に自律神経失調症の症状がハッキリとあらわれた場合には、極力運転は避けるべきですね。

また、診療中の人で処方された薬によっては、眠気や判断力の低下を伴うので運転は避けるように言われるはずです。「自律神経失調症」は改善しない限り、車の運転といった行動が制約される事もあります。思っている以上に、自分の生活に色々な影響を及ぼします。

 

自律神経失調症とうつ病の関係

おおまかに言うと

  • 心の症状(意欲がない・落ち込みやすいなど)→うつ病
  • 体の症状(不眠・頭痛・動悸など)→自律神経失調症

となります。元の原因が同じ(ストレス)でも、体の不調として「もうこれ以上は無理!と何らかのシグナルが発生するのが「自律神経失調症」です。偏頭痛だったり、食欲不振だったり、下痢と便秘を繰り返す過敏性腸症候群などもその一つです。

さらにこの状態が悪化したり、精神面により多くのストレスが影響してくると、いわゆる「うつ病の症状」があらわれてきます。

しかし、うつ病と自律神経失調症には、他にも大きな違いがあります。自律神経失調症はあくまで「病気などの原因もないけど、何となく体が不調」な状態です。医学的にも「病気」としては正確に認められたものではないのです。いっぽう、うつ病は「何となく」ではありません。うつ病と診断されたら、これは脳の働きに問題があり、専門医による治療が必要となります。

自律神経失調症から「うつ病」へと移行していく人もいます。「何となく体調が悪い」を軽く見ず、なるべく早い段階で「自律神経の乱れ」を改善するのが大切です。

 

自律神経失調症と似た病気について

自律神経失調症みたいだ、と自己判断するのは危険です。セルフチェックは簡単ですが、どれも「よくある症状」ですから、しろうと判断はやめましょう。自律神経失調症と似ている病気について、ここに列記しておきますので注意して下さい。

 

症状が似ていて紛らわしい病名一覧

  • メニエール病

めまいやそれに伴う吐き気が繰り返し起きます。めまいと同時に耳鳴りがする場合もあります。メニエール病はストレスなどが原因で、耳の内耳に問題が起こります。リンパ水腫というリンパ液がたまったものが耳の中にできて神経を圧迫します。耳鼻科での診療が必要です。

  • 不整脈

脈が乱れる症状です。ドキドキと早くなったり、脈拍が飛んだりします。健康な人でも脈が飛ぶとか乱れるのはよくあります。緊張すると胸のドックンドックンが早くなったりするのは、ある意味当然です。ただ、何でもない時に頻繁に起こるようなら循環器系の医師に診断してもらう方が安心です。

  • 神経性嘔吐症

比較的、子どもに多い症状で、昔は「自家中毒」などとも言っていました。例えば遠足前などに興奮すると吐き出したり、嘔吐がはじまると何度も繰り返して、脱水症状になるケースもあります。脳や体力の発達とともに落ち着くのが一般的ですが、本人にとっては苦しい状況ですので、医師の診断を受ける方が良いでしょう。

  • 更年期障害

怠い・疲れる・動悸・頭痛といったように、更年期障害によく見られる症状は、自律神経失調症と非常によく似ています。年齢的に、また女性なら閉経前後の場合には、自律神経失調症を疑う前に更年期障害を疑うのが先です。更年期障害のひとつとして、自律神経のバランスが乱れる=同じ症状を起こすという場合もあります。

  • 偏頭痛

偏頭痛はその原因の診断が難しい病気です。ストレスからくる場合もありますが、他の内蔵系の病気が隠れている事もあります。姿勢に気をつけたり虫歯を治したら頭痛が減った、という場合もあります。頭痛外来など専門医のいる病院で診断を受けるのが最適です。

 

自律神経失調症「病院での治療」まるわかり

自律神経失調症「病院での治療」まるわかり

「もしかしたら自律神経失調症かも?」と思っている人へ、病院での診察方法や検査について説明します。また既に病院にかかった人も、「セカンドオピニオンが必要なのではないか」といった不安点を解消する参考になればと思います。

 

自律神経失調症かな?と思った時の病院選び

まず最初に悩むのが「どの病院を選び」「何科を受診すればいいのか」でしょう。
「自律神経失調症かも」と自分で思っていても、他の病気が隠れているかもしれません。最初に行くべき病院は基本的には「総合病院」がいいでしょう。

総合病院では受付時に症状を聞かれます。

「時々めまいがあり、寝付きも悪い」
「胃が痛むけど、他に頭痛もある」
「手がしびれる」

となるべく簡潔で具体的に状態を伝えます。状況によって耳鼻科、内科、整形外科などに回してくれるはずです。病院によっては脳神経外科が「自律神経失調症」を診療の対象としています。この場合は、脳神経外科に行くように言われるかもしれませんが、「脳神経外科?」とむやみに不安にならず安心して任せましょう。

そこで診察や精密検査をした結果、「自覚症状に対する原因となる病気」が判明されなかった場合、「自律神経失調症かな」と言われるかもしれません。

同じ病院に「心療内科・精神科」があればそちらに行くように勧められるでしょう。医師にもよりますが、「自律神経の乱れだね」と判断し、対処療法でその場で治療という場合もあります。

この最初の診察の段階では、とにかく「他に根本的な病気がないか」を診断してもらうのが最大の目的です。

 

一般的な心療内科での「自律神経の乱れ」診察と治療

他に病気がない、とわかった時点から、自律神経失調症の治療、対処法を考えていかなくてはなりません。自律神経失調症を診てくれるのは「心療内科」となります。一般的な心療内科での診察は以下の通りです。

1:症状のアンケート
診察の前に、症状をある程度詳しく書き込む用紙をもらう場合が多いようです。一問一答式もあれば、チェックシートのようなスタイルもあります。ここでは正直にあてはまるものを全て書き出しましょう。

*事前に自分でどんな症状があるかメモ書きにして持参するのは、とても良い方法です。心療内科は比較的時間をとって診察をしくれますが、メモ書きがあれば医師はより早く、あなたの症状やメンタルの状況を把握しやすくなるメリットもあります。

2:診察
心療内科の専門医による問診、診察です。総合病院で精密検査後に心療内科へ回された場合はすでに「他の病気はない」と判断されています。他の心療内科に行った場合には、もう1度血液検査などを行うかもしれません。医師の質問には率直に答えましょう。「こんな事を言ったら変に思われる」とか「この程度の頭痛を訴えるのはどうだろうか」と悩むのはやめましょう。

3:治療方針を決定する
心療内科では、必ずしも薬が処方されるとは限りません。医師の方針、症状の状況、また本人の意思(薬は使いたくないなど)などによって変わります。例えば「胃潰瘍」なら治療法はある程度決まっていますが、自律神経失調症の場合は「この症状にはこの治療」という絶対的な指針がありません。そのせいか、自律神経失調症と診断はされたが、「その後の治療法に迷う」人は珍しくありません。

 

心療内科・精神科・神経内科の違いと「自律神経失調症」治療

近くに「精神科はあるけど行きにくい」「心療内科と精神科のどちらを受診すればいいの?」「総合病院で神経内科と言われたがなぜ?」そんな心配や疑問に答えます。

▼心療内科・精神科・神経内科の違い

・心療内科 主に心身症が対象 心身=身体ですから、体の不調を診ます。一般的に「自律神経失調症」は頭痛や動悸など体に変調をきたしている状況なので、心療内科で診てもらう事になるでしょう。「内科」がついている通り、必ずしも精神科の先生が担当するわけではなく、内科医が対応する所もあります。

・精神科 精神疾患が対象 心身というより「心」つまり精神の不調を診ます。うつ病が代表的です。体にあらわれてこない精神的な疾患が対象です。自律神経失調症でも、精神面からの不安感が強い場合には精神科が適している場合もあります。

・神経内科 脳神経の疾患が対象 脳神経外科に「自律神経が診療対象となっている病院もある」としたのは、こちらに相当します。

*自覚症状として「動悸や不眠症もあるが、最近は特に何もやる気がでないで起き上がれない」「不安感が大きく、このまま仕事もできなくなったらと思うと苦しくなる」となったら、心療内科ではなく精神科の受診も考えられます。

もし、ふるえ・しびれなどが酷く、体を動かす時に違和感があるようなら神経内科の受診も考慮に入れましょう。

▼個人病院やクリニックでの注意点

精神科や心療内科の先生でも、それぞれ専門や得意不得意があります。病院の名前だけで判断せず、先生の経歴や症例をサイトなどでチェックしてから病院を選ぶと安心です。

また、〝精神科〟は敷居が高いので最近では「心療内科」「ストレスケアクリニック」といった名称をつけた個人病院が増えているようです。この場合も、医師が精神科医なのか自律神経などに詳しい内科医なのか、自分の症状もあわせて伝えて電話で問い合わせてみるといいでしょう。

 

病院で処方される自律神経失調症の薬一覧

自律神経失調症と診断された時、病院で処方される代表的な薬の一覧です。

・自律神経調整剤:トフィソパム ガンマオリザノール

自律神経の中枢に作用する薬です。精神的な不安要素などには効きませんが、自律神経を安定させるので、体の不調が緩和する可能性があります。比較的、軽い自律神経失調症に処方されるケースが多いようです。

・精神安定剤:デパス リーゼ ソラナックスなど

一般的に抗不安剤とも言われます。文字のとおり「不安を緩和する」薬です。自律神経の乱れからくる「心の不調」に効果があります。

・睡眠誘導剤:ハルシオン レンドルミン リスミーなど

不眠症、寝付きが悪いといった人を対象に処方されます。いわゆる睡眠薬です。自律神経失調症の症状がひどい場合には、医師の指導のもと服用する事でしっかりと睡眠がとれて体が休まり、症状が改善する場合があります。

・抗うつ剤:パキシル(SSRI系) トレドミン(SNRI系)など

自律神経失調症からうつ病に近い症状、あるいはうつ病に効果的です。落ち込み、不安、意欲喪失などの症状によって抗うつ剤の種類が違います。精神科での診療による処方が一般的です。

・ホルモン剤:更年期や何らかの手術などによって男性・女性ホルモンの低下により「自律神経が乱れやすくなっている」場合に用いられます。

 

自律神経失調症「自力で改善する8つの方法」

自律神経失調症「自力で改善する8つの方法」

病院で診察を受け、心身を落ち着かせる薬物療法は理にかなっています。しかし症状が軽い場合や、「薬ではなく、自分で自律神経失調症を改善したい」人のために「8つの方法」を紹介します。

どれかひとつではなく、いくつか自分なりの方法を組み合わせると、より自律神経を安定させる効果が高まるでしょう。

(1)自律神経を落ち着かせる「自分のルーティン」を見つける

イチローは打席に入る前に「集中力を高めるため」常に同じ手順を踏むと言います。スポーツ選手でも緊張しないよう、「必ずコレをやれば安心できる」独自のルーティンを持っている人が多いようです。

例えば不眠に悩んでいる場合には、「ベッドに入る前に10分ほどアロマをたく→枕を決まった位置に置く→布団に入ったら30までゆっくり数える」毎日同じ習慣を身につけます。その日はすぐに眠れなかったとしても続けてみましょう。

なんとなく「ぞわっ」ときて、その後動悸が激しくなるような場合も、「ぞわっ」ときたら「胸に手をあてる→ゆっくり5回深呼吸する→目をつむり公園の風景を思い浮かべる」など、「それをすれば大丈夫」という自分なりの規則性を見つける、作り出すのは良い方法です。

これは一種の行動療法で、実際の心療内科でも取り入れられています。専門医の指導のもとで行うとより効果的ですが、軽い症状のうちなら自分自身でも充分に出来るでしょう。

症状にあわせたルーティンだけでなく、「朝は起きたらまずカーテンをあける→一杯水を飲む→しばらくソファでゆっくりと新聞を読む」、会社から帰宅したら「お風呂に入る→浴槽で軽く足をマッサージする→出たら大好きな漫画を30分読む」。こんな「自分の生活のリズムを作りやすくする」ルーティンも良い方法です。

(2)生活習慣を見直す

自律神経失調症改善のため、だけでなく、健康維持の基本として

  • 暴飲暴食を避ける
  • バランスの良い食事を摂る
  • 充分な睡眠を取る
  • 適度な運動をする

正しい生活習慣は大切です。心身ともに健康であるのが、自律神経を安定させるのに役立ちます。

(3)思い切って休む

疲れた、だるい、起き上がれない。思い切って休息をしっかりとるのも、自分で出来る改善方法です。社会人の場合にはかなり勇気がいりますが、いっそ休職するのも手段のひとつです。

そこまでいかなくても、数日間ゆっくりと寝たいだけ寝て、好きな事をして過ごしてリラックスするだけでも自律神経のバランスが整います。大抵の場合、交感神経が強く働き、副交感神経が弱い(リラックスできない)状態で不調が起きるので、のんびりとした時間を過ごすのは効果的な改善法です。マッサージなどもいいですね。

(4)自律神経と音楽療法

副交感神経(リラックス)を高めるために、音楽療法が効く人もいます。交感神経が高まり、神経が張り詰めた状態の時に、ある種の音楽を聞くと気持ちがラクになります。ヒーリング音楽が代表的ですが、自分が好きな曲で構いません。

(1)で挙げた「ルーティン」のひとつとして、「疲れた時は部屋を暗くする→好きな音楽をかける→1杯だけワインを飲みながらゆったりと過ごす」といったように、音楽を組み込むという方法もいいですね。聴覚から入るリラックス方法は、実際に効果的というデータもあります。

(5)夢中になれる趣味は自律神経の改善に役立つ

自律神経が乱れるのは「交感神経と副交感神経」のスイッチの「切り替え」がうまくいっていない状態です。ストレスを発散するのにも「気分の切り替え」が大切です。気分転換が上手な人は、自律神経も安定している人が多いようです。

アイドルでもいいですし、読書でも映画鑑賞でも、陶芸をする・手芸をする・絵を書く・テニスをする・釣りに行く・・・大好きな趣味を作り、少々イヤな事があっても苦しい時も、時間を忘れて夢中になれるものを持ちましょう。

(6)ストレッチや適度な運動

運動はもっとも簡単に「気分を変える」事ができます。汗を流した後の爽快感が、一種のストレス解放と繋がります。激しい運動や、嫌いな運動をする必要はありません。ひとりでのんびり散策するのも、運動のひとつです。

サイクリングもいいでしょう。趣味と共通しますが、友達と卓球やテニスをするのもいいですね。サークルなどに入って活動すれば、例えば「会社」「家庭」といったストレスの原因となるものと「まったく違った世界・まったく違った友達の輪」で時間を過ごす事が出来、それこそ「気持ちの切り替え」にもなります。

(7)意識してストレスに適応する力を養う

結局、自律神経の乱れの様々な原因は最終的に「ストレス」という言葉に収拾されます。ストレスに強いタイプになるのは、自律神経失調症の改善策として最も有効です。

  • 気持ちの切り替えが出来る
  • 感情をさらけだせる
  • 「自分は自分」と納得させる

不快な事があっても、趣味や運動で気分を変えていく。気に入らない事が続いたら、誰かに口に出して「本当にイヤだったわ!」と感情を表に出す。そして、「今の自分、これが自分なんだから」と肯定的に受け止める。

ストレスはどんな生活をしていても、なくなりません。例え会社を辞めても、森の奥でひとりで暮らしたとしても、ストレスを感じる人はどこでも感じるものです。

ストレスは多少の差はあっても、誰でも向き合っていかなくてはなりません。それだけに「ストレスに強くなる」自分を少しずつ確立させていくのも長い目で見ると重要です。

 

自律神経失調症にはサプリメントが効果的

自律神経失調症にはサプリメントが効果的

色々な自律神経失調症の改善法を紹介しましたが、簡単に自律神経を安定させるのに実はとても効果が期待できるのが、サプリメントです。

 

自律神経失調症に対するサプリメントの効果

自律神経失調症に効果があると言われる成分は

  • ビタミン類
  • 必須アミノ酸
  • 高麗人参

などがあります。この中で注目したいのが「高麗人参」です。

高麗人参には、「サポニン」という成分が多く含まれています。サポニンは「副交感神経を活性化させる」働きをします。だいたいにおいて、交感神経が優位すぎて(高まりすぎて)、リラックスの効用がある「副交感神経」が低下してしまう為に、自律神経失調症が起きます。

ですから、この「サポニン」によって副交感神経を高めてあげるのは、自律神経失調症の改善に大変効果が期待できます。

高麗人参といえば高価な漢方薬というイメージです。最近では、和漢サプリメントとして漢方薬の効能を併せ持ったサプリメントも出ています。高麗人参の7倍もサポニンの量が多い「白井田七」は代表的な和漢サプリです。自律神経失調症で悩んでいる人は、一度この和漢サプリメントをチェックしてみて下さい。飲むだけ、という簡単な方法で自律神経失調症の辛い症状が緩和されるかもしれません。試してみる価値はあると思います。

 

薬を使わない改善方法という安心感が強み

和漢サプリを飲むのは、抗不安剤のような薬を使用するよりもずっと安心感があります。もちろん、症状が酷い場合にはしっかりと神経や精神に効果のある処方薬が必要です。

でも、多くの人が感じている「何となく不調」の自律神経失調症には、やはり精神安定剤のような薬を服用するのに違和感を感じていませんか? 効き目はあるでしょうが、「精神安定剤は止められなくなるのではないか」「精神病を患っている証拠のようで、飲み続けるのは不安」と思う人もいるでしょう。

サプリメントは薬ではありません。あくまで補助的な健康食品です。特に和漢サプリは、体に良い漢方薬を含んでおり、自律神経失調症のような症状にも大きな効果が期待できると思います。

 

漢方薬vsサプリメント「自律神経に効く・効かない?」

高麗人参に限らず、漢方薬は医学的治療に頼らずに体調不良を直すのに確かに効果があります。ただ、漢方薬というのは高価ですし、また飲みづらい面もあります。漢方薬は個人の症状にピッタリとあったものを調合してもらうのがベストですが、そうした薬局や漢方医を探すのも難しいものです。

そこで、漢方薬とサプリメントの両方の良さを併せ持った和漢サプリメントが注目されているのでしょう。白井田七は「自律神経改善」のサプリメントの中でもトップクラスの人気です。それだけ実際に飲んだ人が、効果を実感しているからではないでしょうか。

 

自律神経失調症とどうつき合っていくか

自律神経失調症は、なんとなく「体の具合が悪い」からはじまり、これといった原因もわかぬまま、その不調を抱えて過ごす状況が続きます。自律神経失調症とどうつき合っていくか、どう改善していくかは「長い目で見て考える」のも大切です。

 

「完治したかわらかない」自律神経失調症との長い闘いの為に

悪いところを取ってしまったから大丈夫、折れた骨がくっついたから大丈夫。こうした「完治した」と明確にわかる症状と違って、自律神経失調症は「いつ始まったかもわかりづらく、治ったかどうかも判断しづらい」のが難しいですね。

自律神経失調症の症状が、頭痛や胃痛なら、痛みを感じる時間が徐々にでも減っていけば「良くなってきているな、改善しているぞ」と少しずつ自信を持って下さい。不眠やだるさ、は、「とりあえず今日は1日なんとか過ごせた」「昨日は数時間かかったけど、眠りにつけた」と、例え完全ではなくても「成功体験」として受け止めていきましょう。

悪くなるいっぽうだ、いつ治るのかわからない。そんな不安を抱えるのが最もよくない事です。性質や人柄もあるので簡単ではないでしょうが、「なんとかなるものだ」「きっとだんだんラクになる」と前向きに楽観的に捉えていけるといいですね。

 

信頼出来る相談相手の存在を持つ

それが医師であっても、夫や妻であっても、身近な友人でも構いません。自分の不調をためらわずに訴える事のできる相談相手を見つけましょう。自律神経失調症の「自律神経のバランス」に必要なのは、理解してくれる相手、信頼できる相手が側にいるという安心感です。

 

自律神経失調症のまとめ

自律神経失調症のまとめ

  • 交感神経と副交感神経のバランスが自律神経の基本
  • 2つの神経のどちらかが活発化になりすぎると身体の不調が起きやすい
  • 自律神経失調症はまず病院で「他に病気がないか」確認すること
  • 自律神経失調症と診断されたら薬物療法については効果と副作用をよく理解する
  • 自律神経失調症は自分で改善する事も出来る
  • 和漢サプリを上手に利用しながら自分で少しずつ自律神経失調症を改善していく
  • 打ち明けて辛さを分かち合える相談相手を持つ

今は、なんでもかんでも「自律神経の乱れ」で片づけられてしまう所もあります。深刻な症状は病院で治療を、「何となく不調」自律神経失調症かも?といった初期症状の時点なら、自分でコントロールしながら改善していくのも充分に可能です。